『エチカの時間』作品紹介(あらすじ・みどころ)

漫画紹介

『エチカの時間』とは

題名:エチカの時間

作者:玉井雪雄

掲載雑誌:小学館

出版社:ビッグコミックスペリオ―ル

巻数:全5巻

『エチカの時間』あらすじ

「トロッコ問題」₋₋₋₋₋。

1967年にフィリッパ・フットが提起した、倫理上の課題です。

「線路を走っていたトロッコが制御不能となり、作業員5人がひき殺されてしまうという状況がある。しかし、線路の分岐器の近くに立っているAがレバーを押せば、トロッコの進行方向が変わり、別の作業員1人が死んでしまう。このときに、Aはレバーを押すべきか」₋₋₋₋₋。

トロッコ問題のように、自分の倫理観が試される時に人はどのような選択を取るのでしょうか。

この漫画は、そんな心理という大きなものに立ち向かっていく少年達のお話です。

21世紀₋₋₋₋₋情報化社会においてAI(人工知能)が発達し、様々な分野で人間の役に立っています。

しかし、もちろんのこと、AIには感情がありません。

どんなに複雑な計算式を一瞬で解こうが、将棋のプロを圧倒しようが、そこに感情はなく、倫理観も存在しません。

例えば、近い未来、車が自動運転になった際、走行中にブレーキが壊れてしまったとします。

車の進路先には3人、少し外れた場所に1人立っています。

その場合、AIは直進先の3人に衝突するのか、あるいは方向を変えて1人に衝突するのか。

果たして、感情のないAIにそれを判断することはできるのでしょうか。

このような倫理観をAIに習得させるべく、政府は機密に「エチカ・アカデミー」という組織を作りました。

エチカ・アカデミーとは、AIを育論するという機関で、AIのインフラ危機予測を元に「エチカ案件」を取り扱っていました。

つまり、AIが察知した事故や事件において、「どちらの(どの)選択をすべきなのか」という学習をAIにさせるのです。

ここで起きるのは、あのトロッコ問題と同じような事件でした。

ビルの上に設置されている巨大ネオンが交差点に落下し、少なく見積もっても250人の人間が死傷してしまうという危機予測をAIが察知しました。

一方で、敷き鉄板をクレーンを使って動かすと軌道がずれ、死者は3人となるという分析も出ました。

「この場合、クレーンを使って軌道をずらすべきか」という問題が生じます

出典 エチカの時間 コミックス第1巻より

このような「エチカ案件」において、特殊な訓練を受けている学生たちが議論をし、最終的にAIに決定権を委ね、AIを育論していくのです。

そして、この漫画の主人公は日野尚更という少年。

エチカ・アカデミーなどという存在すら知らずに過ごしてきたごく普通の少年ですが、この日を境にエチカ案件に巻き込まれてしまいます。

250人を救うのか、それとも3人を救うことになるのでしょうか——

『エチカの時間』みどころ

倫理を追求した哲学漫画という斬新な設定です。

このようなトロッコ問題に正解はなく、各々が自分の倫理観を持ち出して議論をするという「エチカプレイ」が面白いです。

出典 エチカの時間 コミックス第1巻より

また、このエチカプレイにおける最終選択権は、人間ではなくAIにあります。

AIには倫理観などありませんが、このエチカバトルを通して人間の感情の揺れや強い思いを学習していくのです。

つまり、どちらの人間の言い分がAIを揺さぶるのか、という最後の最後まで読めない展開になり、常に先が気になってしまいます。

「危機予測ができるならそもそも事件を発生させなければいい」という考えはこの「エチカ・アカデミー」には通用しません。

この機関の目的はあくまでも「AIの育論」なのです。

これは漫画の話にとどまらず、現在の私たちの社会課題の一つとも言えます。

自分だったらどの選択をするだろうか、という視点でも楽しむことができます。

哲学という珍しい題材に興味惹かれる人には特におすすめします!

『エチカの時間』こんな人におすすめ

〇哲学を題材にした漫画を読みたい人

〇先が読めない展開が多い漫画を読みたい人

〇「自分だったらどうするだろう」という視点で楽しめる漫画を読みたい人

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