『血の轍』作品紹介(あらすじ・評価)

漫画紹介

漫画『血の轍』とは

題名:『血の轍』

作者:押見修造

出版社:小学館

掲載雑誌:ビッグコミックスペリオール

巻数:既刊10巻(2021/5/9現在)

『血の轍』あらすじ

この漫画の主人公は長部静一(おさべせいいち)、男子中学生。

静一は学校で友達と楽しく過ごしたり、吹石さんという女の子に恋をしていたりと、思春期の中学生らしい生活を送っていました。

しかし、静一を取り巻く家庭環境には異様さがありました。

父・母・静一の3人家族なのですが、母親が毒親のような人だったのです。

毒親といっても虐待などではありません。

静一は、過保護が過ぎているような独占的な愛を母親からぶつけられていました。

友達と遊ぶ約束をしていたのに、母親から「明日はおじさん達が来る」と言われるとあっさりと友達との約束を断ったり、幼少期の思い出を覚えていただけで母親が感極まって「抱き締めさせて」と言ってきたり…。

分かりやすい描写ではないのですが、静一が母親に毒されていると判断できる描写がたくさん出てきます。

出展 血の轍 コミックス第1巻より

それが大きな確信に変わったのは、親戚達と一緒に家族で山登りに行った日でした。

静一にはしげるといういとこがいました。

山登りの日、しげるがふざけて静一の背中を押すと、母親がすぐさま静一を抱きとめます。

すると回りの親戚達は「過保護だ」と静一の母親を笑います。

その後、静一はしげるに連れられて2人で山の中を探索することになりました。

奥へ進んでいくと崖がある行き止まりにたどり着きます。

すると2人を探しに来た静一の母親が合流します。

ふざけながら崖の端で片足立ちをするしげるでしたが、バランスを崩してしまい倒れそうになります。

それを抱き寄せて助ける静一の母親。

しかし、次の瞬間、静一の母親はしげるを崖から突き落としてしまうのでした—–。

『血の轍』評価(独自の評価です)

どちらかというとリアルなタッチ寄りで、子どもより大人向けといった画風です。

一つひとつのコマの行間の表現が素晴らしく、大袈裟な描写ではないのにこの漫画の世界に入り込まされている感覚がします。

出展 血の轍 コミックス第1巻より

漫画チックな表現というよりは、リアルな人間の性格や人間関係を違和感なく表現されています。

「この母親少し子どもと距離が近いな」→「何か闇を抱えていそうだな…」→「子どもの静一も段々と蝕まれていっているな…」という、少しずつ現れる変化を巧みな描写で表現されており、気持ち悪さが好奇心に変わり先の展開が気になってしまいます。

多少ホラーチックな表現もありますが、母親の異質な愛が強調されており、いいスパイスになっていると思います。

キャラクターに関しては、「このキャラクター大好き!」というようなキャラ推しになるような人物は出てきません。

しかし、母親の異様な執着や、それに蝕まれていく静一など「気持ち悪さのある魅力」をもっています。

リアルにありそうだな…と思わせてくれるキャラクター作りは上手です。

総評★★★★☆

【ターゲット層】20代以上の男女

【ストーリー】母親の異様な愛情・心の闇を描いたストーリー

【オススメポイント】ダークなホームドラマ

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